ポップな音
ここ1週間体調が悪い。2日前なんて後頭部からうなじにかけて頭痛がひどく、動脈解離だったら嫌だなあと思って出勤即病院へ。YOUは何しに会社へ？ 職場近くの病院では紆余曲折あって何も診断されずPCR検査を受けることに。結果陰性で良かったけど……。
このまま放っておくのも怖かったので今日は脳神経外科を受診。そこで生まれて初めてMRI検査を受けた。検査室ではお茶目な技師さんが「狭いところ大丈夫？ 大きい音も大丈夫？ 暗いけどお化け怖くない？」と声をかけてくれて、かなりリラックスできた。
MRIの前は暇だしギターの配色でも考えるかあとか思っていたのに、実際は動作音がうるさくてそれどころじゃなく、もっとポップな音出せないのかな、とか謎の空調のおかげで風が吹いていて涼しいなあとか考えているうちに終わった。
MRIの結果が出て、先生から動脈解離などはなくストレートネックによる神経痛が頭痛の原因と言われる。いわゆるスマホ首ってやつか。姿勢は健康と直結すると身をもって感じた。健康になりたーい。どこで治すのがいいんだろうね。整体いっとく？
帰り道では静かな音を求めて、ポーランドのピアニストSlawek Jaskulkeを聴きながら歩いた。月明かりに照らされる海の光と影。寄せては返すおだやかな波。ヤスクウケはそんな音です。
ピアノは全然分からないので、良いピアニストをもっと知りたいなあ。
気分を買う
「自粛」をいいことに仕事以外ではひたすら家に篭りっきりの毎日である。たいがいの買い物はネットで済んでしまうが、クリックのひとつで手元まで届くモノにはなんとも味気の無さを感じることが多くなった。買う瞬間がテンションのピークで、そのあとは落ちていくばかり。これは虚無。たくさんモノがあるのに満たされない。そこにあるのに、無い。つまんね〜！なんなら買い物自体もつまんね〜！
そんな毒にも薬にもならない日々を過ごす中、用事があったので、珍しく休日に駅構内をうろうろした。色々済ませた後、このまま帰るのもつまんないなと思い、たまたまあった本屋へ立ち寄る。
一角のスペースで特集されていた安西水丸さんの文庫本を手に取った。短編集をパラパラめくると、すぐに読みきれそうだな、そういえばさっき喫茶店を見かけたな、ケーキ食べながら読むのもいいな、とか考えが巡り楽しくなってしまった。これだ。
物を買うときはそのときの気分も一緒に買っているという考え方は納得のいく話で。このとき、気分に引っ張られてその後も楽しく過ごせる気がした。つまり、自分にとって大切なのはどうやって買うかなんだ。良かった、まだ楽しめると安堵した。
ふと、安西水丸さんの本部屋にあったよなと思い直し、結局何も買わずに本屋を後にした。そして、おもしろそうな読みかけの本をいくつか積んでいることも思い出したので少し触れてみたい。
エルメスの香水の創作者による「調香師日記」は特に好きな一冊。美しい文章が存在しない匂いを彩っている。最後に読んだところは、店先に並んだレモンを嗅ぐシーンだ。あまりに瑞々しく甘酸っぱい香りが、文字を突き抜け、形となり、頭の奥まで届いた気がして、思わず本を閉じてしまいそれ以来開けずにいる。この本をとても好きになってしまい読み終わりたくなくなったから。
最近は刺激を求めてついつい遠いどこかへ思いを馳せてしまうけど、しばらくはすぐそばにあるおもしろいことを楽しみたい。
あとレモンって書いたけどグレープフルーツかもしれない。
マシュマロ、トマト、うどん
最近何してる？って聞かれたとしたら、何にもしてないと答える。できないと言ったほうが正しいのかも。
取り立てて悪いことが起きたわけではない。ただ寝ても頭痛が治らないからなのか、仕事が忙しいからなのか、甘くて暖かいものを飲みたくて買ったカフェオレがほろ苦かったからなのか、3月ごろにオープンした部屋の真下にあるカフェがいつのまにか閉業したからなのか。あんなに楽しみにしていた映画もロードレースも見る気力がない。本当はしたいことがあるのにずっと寝転んでいる。
平日は全然だめで、かろうじて休日に近所のパン屋へ朝食を買いに出かけている。気分転換にいつもとは違うパンを買ったりした。でもきな粉もっちーにだけは外せない。地元のパン屋でも似たようなのがあって、どこのものを食べても甘くてかりっとしていて同じ味わいに安心してしまう。いつでもどこでも手に入る普通のものが好きなのかな。好きなんだと思う。
最近おもしろかったこと。
好きなバスケの選手がいて最近の動向を調べたりした。ウィキペディアによると彼の嫌いな食べ物はマシュマロ、トマト、うどん。かわいい。ちょっとグミ・チョコレート・パインみたいじゃん。語感が良い。
最近よかったこと。
スーパーの杏仁豆腐が安かったのでたくさん買った。寒天、みかん、パイナップル、さくらんぼがたくさんのシロップに浮かんでおり、ただの杏仁豆腐より豪華だ。
たしか夏ごろはイチゴをよく買っていて、冷蔵庫を開けるたびに甘い香りがして幸せだったことを思い出した。冷蔵庫にデザートがあると嬉しいね。
楽しくなるには自ら動くしかないってことは分かっているのに何にもできなくて悔しいが、さっき目玉焼きをフライパンから皿に移す作業が今までで一番うまくいったのでよしとする。
たまにはいいじゃない
最寄駅には２つの出口がある。１つは家までまっすぐ最短ルートなんだけど、一番好きな銭湯、気になるおばんざい屋を通るお気に入りの帰路だ。駅と家の間に銭湯があるだけで、いつでもお気に入りの銭湯行けるし！という強い気持ちになれる。
今日はもう１つの出口から出て寄り道をした。駅の向かいの本屋では、最近発売日の本が見当たらずそもそも入荷されてなかった。まあこの本屋あるあるなんだけど、なんで仕入れないんだろうとちょっとむしゃくしゃしてしまった。(調べたら店の規模次第で発注量よりショートしたり、そもそも発注できないという問題があるっぽい)
極力、アマゾンではなく地域のお店にお金を落としたいんだけど、そもそも物がないとなあ。取り寄せたこともあったけどあまり気が乗らないし…。
パトロールで本棚をうろうろしていると、ノーチェックだった池辺葵さんの新作を見つけた。池辺さんの絵は柔らかい線で描かれていて、人物の眠たそうなまぶたが特に好き。久しぶりに「繕い裁つ人」を読んで優しい気持ちになりたくなった。
本屋の次はもれなくピザ屋に寄り、最後に自販機でコーラを買って帰るのがお決まりの流れ。全部良い位置にあるね。
こんな感じで最寄駅周辺にはそれなりに満たされるスポットが揃っていて暮らしやすい街だと思う。
あとさっきピザを食べていたら、お昼にもサイゼで一番高いピザ頼んだことを思い出した。たまにはいいじゃない一日二食ピザの日があっても。
メリーゴーランド
今日は髪に限界を感じ、仕事終わりに美容院に駆け込んだ。思い立ったら吉日。切りに行くまではめんどくさい。切ったら爽快なのはお風呂と一緒。とにかくスッキリした。
10月に入って寒くなったと思いきや昼間は汗ばむ。暑いのか寒いのか初秋なのかはっきりしない。どこからが秋なんだろう。ススキの群生を見かけたので秋だと思い込むことにした。
高速道路からみえる遥か遠くの山の稜線が夏よりもくっきりと青い。これもまた秋。
夏の終わり。初めて絵を買った。
古着屋だけどフォークアートも置いている店で完全なる直感で選んだ。もうこれしかないみたいな。
白い馬が仲間と連なって草原を駆けていくみたいな絵かと思っていたら、メリーゴーランドで全然違った。ベッドに寝転んだときに自然と視界に入る場所に飾っており、雰囲気がよくてちらちらみてしまう。
半年ぶりに古着屋へ行った。
積もる話をして、ああだこうだ言いながら服を選ぶのは楽しい。実店舗はいいよね。このお店の好きなところは買い物袋がビニール袋なところ。現地のチープなもので、日本とは質感が違う気がする。アメリカもっと感じたい。
仕事ではシャツを着るからって襟のないカーディガンなどをおすすめしてもらい嬉しかった。色は引続きチャコールグレー、サイズはほどよいジャストが気分。
